FUJIFILM X70
富士フイルムのレンズはどれも素晴らしい.けれど、たまにはちょっと変わったレンズも使ってみたい…… とは、以前にINDASTAR-69のときに書いた文章ですが、もうちょっと別の世界のレンズを使ってみようということで、ライカMマウントアダプタを購入し、同時にVoigtlanderのCOLOR-SKOPAR 25mm F4Pを購入しました.
COLOR-SKOPAR 25mm F4Pはすでに販売終了になったレンズなので、今回は中古品を購入しました.型番の末尾につく「P」はパンケーキのPで薄型レンズであることを示しています.
FUJIFILM X70
Xシリーズには富士フイルム純正のMマウントアダプタが用意されています.Xシリーズが登場し始めた頃に、まだXマウントレンズのバリエーションを補うためにリリースしたのではないかと言われているこのマウントアダプタ.とはいえ未だに発売されていますし、サードパーティのマウントアダプタではできない特殊な機能が搭載されています.
まず、マウントアダプタ自体に電子接点が付いており、カメラ側が自動的に「レンズなしレリーズ」モードがオンになり、そして上面から見て左側にあるボタンを押すことでカメラのメニューを遡らなくても使用するレンズの焦点域を設定する画面を表示させることができます.
さらに、専用の機能として、歪みや周辺減光の補正、さらに画面の四隅それぞれに色ズレなどを補正する機能も搭載されています.
FUJIFILM X-Pro2 + COLOR-SKOPAR 25mm F4P
このような被写体だとどうしても歪みが気になります.
そのままで撮るとタル型の歪みの傾向があるのでカメラ側設定の歪み補正を使って補正をかけ、周辺減光についてはあえて強調する方向に設定をしました.
FUJIFILM X-Pro2 + COLOR-SKOPAR 25mm F4P
1段絞ってF5.6で撮影.バイクや自動車のヘッドライトに強めの光芒が出ています.
光芒については好みが分かれるところですが、自分は好きですね.ただ、その後でクリスマスのイルミネーションを撮影したりもしたのですが、出るときと出ないときがあって、どうもまだ癖がつかめていません.
FUJIFILM X-Pro2 + COLOR-SKOPAR 25mm F4P
(レンズ設定ミスによりEXIFは28mmになっています)
最短撮影距離は50cm.このカメラが寄れないのではなく、Mマウントの特性として近距離撮影が苦手なのでレンズ側も近接撮影に対応した設計がされていないのです.なのでテーブルフォトなどには向いていません.
散歩の途中でたい焼きを買ったのですが、手をいっぱいに伸ばしてようやく撮影できる感じです.
FUJIFILM X-Pro2 + COLOR-SKOPAR 25mm F4P
(レンズ設定ミスによりEXIFは28mmになっています)
フィルムシミュレーションACROSで撮影.
たい焼きの写真もそうですが、絞り開放値がF4なので被写体によっても背景を大きくぼかすのは苦手です.
FUJIFILM X-Pro2 + COLOR-SKOPAR 25mm F4P
(レンズ設定ミスによりEXIFは28mmになっています)
豪徳寺にやってきました.招き猫発祥の地(のひとつ)と呼ばれているだけあって、招き猫が大量に奉納されています.
フルフレーム対応のレンズをAPS-Cフォーマットで使っているので四隅の像の流れなども気になりません.下側のほうにいる招き猫が緑っぽくなっているのは色ズレなどではなく、古くなって汚れや苔のようなものが付着しているものです.
FUJIFILM X-Pro2 + COLOR-SKOPAR 25mm F4P
撮影途中でレンズ設定が28mmになっているのに気付いたので25mmに変更.その関係もあって、これだけ周辺減光が強めに出ています.
薄曇りで紅葉も終わりかけなのでフィルムシミュレーションをVelviaにして色合いを派手めに.
このような空をバックにした撮影で明暗差が大きい状態で絞り開放で撮影すると、エッジ部分にパープルフリンジが少し出ます.1段絞るとほぼ解消します.
街歩きでスナップするには良さそうなレンズですね.絞り開放値がF4ということもあって被写界深度があるので、被写体を見つけたらレンズの深度目盛りを見ながら目測スナップするような撮り方にも向いていそうです.
次にMマウントレンズを買うとしたら、これとは性格の異なる、背景をぼかせられそうな絞り開放値がF1.4などのレンズを使うと使い分けができて楽しそうです.こうしてレンズ沼というものにはまっていくのですね.