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国立映画アーカイブにて製作50周年記念『2001年宇宙の旅』70mm版特別上映を観てきました.
『2001年宇宙の旅』は1968年の公開なので、今年で50周年です.それを記念して、オリジナルのネガから新たなフィルムを起こし、70mmフィルムとして再現したものを上映するとのことでかなり貴重なものです.
上映回数が6日間で各2回、合計12回しかなく、しかも日本での上映が終わるとフィルムは海外に運ばれることに加え、前売り券が各回200枚しかないこともあり、前売り券は数分で売り切れてしまうなどかなりの争奪戦でした.
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上映開始が18時30分で、18時から入場とのことなので17時45分ごろに到着したのですが、すでに結構な混雑でした.
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右寄りですが、前よりの映像がしっかり見えそうな場所に座ることができて一安心.
上映前に国立映画アーカイブの職員のかたから挨拶がありました.
上映回数が少ないのでチケットが争奪戦になり、転売などの騒ぎを起こしてしまい申し訳ないとのことと、なぜ上映回数が少ないかの理由の説明がありました.こちらの記事やこちらの記事に説明がありますが、70mmフィルムは1巻で15kgほどもあり、しかもそれが今回の上映では10巻.さらに映像と音の同期が取れなくなると音が出なくなるというトラブル(実際に、今回の上映でもピーという音が出てしまったことがあるとの説明がありました)が起きるなど、映写技師側にも集中力と体力が要求されるものであるので、数をこなすのは難しいとのことです.
また、今回の上映では映像を重視するため、字幕はスクリーンの下に字幕用のスクリーンを設置し、そちらに投影するようになっていました.字幕が下にあるので席によっては見づらい/見えない場合があるとのことで、入場前に配布された資料に大まかな会話の略筋が記載されていました.ですが「140分ほどの映画のうち、会話のシーンは40分ほどですので、字幕を見たいかたはあとでDVDでご覧になってください」の説明で笑いが出るなど、観にきている側も「わかってる」人が多い感じでした.
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長い映画なので、途中でIntermission(幕間)として15分の休憩が入ります.これはその時に撮影したもの.休むことなく作業をしている様子が見えました.
始まって感じたのはスクラッチノイズの多さ.今回のフィルムは新規にプリントしたものとはいえ、プリント作業に携わったクリストファー・ノーランいわく「アンレストア版」とのことで、プリントはしたものの、ノイズ除去などの作業は全くしていないとのことで、ノイズまでを含めて作品として楽しむという趣向でした.
不思議なことに、集中して観入っているとスクラッチノイズとか気にならなくなるのですよね.
上映後は拍手が起こり、また後ろを向いて映写技師にも拍手をするかたが多数いました(自分もしました).
多分これが最初で最後の70mmフィルムの映画を観る機会だったのではないかと思われます.映画自体も素晴らしいのですが、それ以上に貴重な体験をしました.