RICOH GR DIGITAL III
NHKの技研公開に行ってきました.
毎年5月末になると、世田谷区砧にあるNHK放送技術研究所では「技研公開」という、研究発表が行われます.
RICOH GR DIGITAL III
悪天候ながらも会場内は結構混雑しています.今年は節電のため16時までとなっているため、混雑の度合いが高いのかもしれません.
一般向けの発表会ではありますが、内容はかなり高度です.とはいえ、専門用語で突っ込んだ質問をする人もいました.実際に研究されているかたが説明員としており、試作品の機材なども展示されているため、興味のある人にはたまらない展示なのでしょう.
今年のNHK技研公開の発表でも大きく扱われていたのは、TV放送とネットとの連携です.Hybridcastなどと呼ばれており、コンテンツ配信やSNSを使った双方向通信的なものなどを推進していくようです.
まだ研究段階のようですが、「感動」を数値化して番組制作に活かす技術など、どこまで現実に運用できるのかわからないようなものも展示されていました.
RICOH GR DIGITAL III
テレビのニュースで気になっていた福島原発の映像です.「30km以上離れて撮影」「映像を鮮明化しています」というテロップが入っているこの映像ですが、
1. 42倍レンズを搭載した防振機能付きカメラでヘリから撮影
2. 転送した映像のブレを補正
3. 鮮明化処理をかける
4. さらに2倍に拡大
というステップを踏んでいるそうです.まったくブレを感じさせない映像なので、てっきりどこかに据え付けて撮影しているものだとばかり思っていました.
RICOH GR DIGITAL III
スーパーハイビジョンの研究も進んでいました.スーパーハイビジョンとは7680×4320ドットいう、フルハイビジョンの16倍もの解像度をもつ技術です.NHKとしては2020年の試験放送を目標としているそうです.
今年の目玉はシャープと共同開発した85インチの液晶スーパーハイビジョンテレビです.85インチというサイズにも関わらず、至近距離で見ても映像が細かいです.が、撮影したカメラが開発途中ということもあってか、若干のノイズを感じました.実際に撮影していたスーパーハイビジョンカメラを見ると大量のライトを使っていたので、光量不足に弱いのかもしれません.また、カメラの小型化も課題だそうです.
スーパーハイビジョンの映像を見ていて思ったことなのですが、非常に解像度が高く精細な映像だと3Dとかの加工をしなくても立体的に感じました.これは他のかたもそう思ったらしく、3Dカメラで撮影しているのかと質問をしている人を見かけました.
別の展示施設でメガネを使った3D映像を見ましたが、そちらのほうが書き割りっぽくて不自然に感じました.
RICOH GR DIGITAL III
単板式スーパーハイビジョンカメラのレンズですが、どこかで見た覚えのあるレンズがついていました.CarlZeiss Distagon 25mm F2.8 ZFです.自分の愛用するレンズがこのようなところで使用されているのもなんか不思議な感じです.
マウントアダプタを介して接続されています.別のスーパーハイビジョンカメラの説明ですが、撮像素子サイズは2.5型とのことで、35mmフルサイズセンサーより少し小さなものが使用されているそうです.解像度的にはこのレンズであっても十分とのことでした.
研究途中ということもあってか撮影NGの箇所も多々ありましたが、興味深い展示が他にもいろいろとありました.
毎年行われているので、来年も時間が許せば行ってみたいです.
RICOH GR DIGITAL III
出口付近にあった、物販コーナーでi-MiEVの中継車のトミカが売られていたので買ってしまいました.995円はちょっと高い気もしましたが.ちなみに実車も研究の一部として展示されていました.