Apple iPhone 5s
富士フイルムのX70を購入しました.
しばらく前から富士フイルムがGRキラーともいえるデジカメを開発しているらしいという噂が流れてはいましたが、GRの発売と同時期に出たニコンのCOOLPIX Aの評価がイマイチで、結果としてGRの強さ(ブランド、機能ともに)を証明してしまったので、果たしてこれに立ち向かう製品を出せるのかとやや不安でした.
が、発表された製品は「ベビーX100T」とでもいえるような製品で、光学ファインダこそ省かれてはいますがセンサーはX-T1やX100Tと同じX-Trans CMOS IIの1,600万画素、画像処理プロセッサもこれらと同じEXR Processor IIを搭載し、操作系はコンパクトなモデルながらダイヤル中心の設計でしかもチルト液晶にタッチパネルも搭載するなど、かなり手の込んだ設計になっており、期待できそうな製品に仕上がっていました.
店で触ってから購入を決めようかと思っていましたが、X-T1やX100Tをすでに使用しており機能的に不満もないので、別に様子見をする必要もなかろうということで予約して初日に入手しました.予約して新製品を購入するのはGR以来です.そしてそのGRを下取りに出して購入しました.
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X100TとX70.X70にはGR用の外付けファインダGV-2を取り付けています.
シルバーとブラック、どちらにしようか迷ったのですが、X100Tの時も迷ってシルバーを選んだので今回はブラックを選びました.ブラックのほうが精悍でシルバーはクラシカルな印象がありますね.あとシルバーは低価格の製品だと安っぽい仕上げになりがちですが(金属パーツとプラスティックパーツで塗装の色があってないとか)店頭で見たところ、X100T同等の高級感があったのでシルバーでもよかったなと感じました.
X100とのサイズ比較ですが、高さはちょうど内蔵ファインダの分くらい高さが異なります.幅は15mmくらい、奥行きはボディ部分はそれほど変わりませんがX100Tのほうがレンズの出っ張り量が大きいです.重量は440gと340gなのでちょうど100gの差ですが、X70よりもGRは90gほど軽いため、GRに慣れた感覚で手にするとずっしりと重く感じます.
FUJIFILM X100T
正面.レンズの外周には絞りリングとコントロールリングがあります.レンズがそれほど出っ張っているわけではないので、操作はしづらいです.絞りリングは2カ所にレバーが出ているのでまだ良いのですが、コントロールリングは位置的にも先端部ではない中間の辺りにあるのでとっさの操作で空振りすることがあります.慣れで解決できるのでしょうか.
レンズの横にはフォーカス切り替えスイッチがあります.左からMF、C-AF、S-AFですが、小さい上に固いので行き過ぎてしまい真ん中のC-AFで止めるのは至難の技です.X100Tのようなスライドレバーのほうが使いやすいですね.もっとも、自分はAF-Sしかほとんど使わないのでこのスイッチの存在自体忘れてしまいそうですが.
FUJIFILM X100T
上面.コンパクトなデジカメには珍しい、ダイアルの多い操作系です.
シャッターダイアル、露出補正ダイアル、そしてシャッターレリーズ同軸の電源スイッチなど、X-T1やX100Tとほぼ同じであるので迷うことがありません.
富士フィルムのカメラに共通する、モードダイアルが存在しない(シャッターダイアルと絞りリングをA(Auto)にするか数値指定にするかで絞り優先AEなどに切り替わる)のも同じです.
X-T1やX100Tにはないものとして、シャッターダイアル横に「AUTO」の切り替えレバーが用意されています.AUTOにすることで絞りリングやシャッターダイアルの設定値とは関係なくフルオートになります.しかしながらフィルムシミュレーションだけはAUTO以前のものが引き継がれ、また設定変更可能なのが単なるオートではない富士フイルムらしいこだわりを感じます.このAUTOレバー、X-T10には搭載されているのでXシリーズでも上位機以外にはこれから採用されていくのかもしれません.
シャッターレリーズの右にある赤いボタンは録画ボタンですが、Fnボタンとして他の機能を割り当てることができます.ただし、富士フイルムの設計方針として誤操作防止のため録画ボタンの反応をあえて鈍くしていることに加えて、押しづらい位置や小さなサイズ、ほとんど出っ張っていないこともあって使いづらいです.X100Tなどと操作を共通化するために自分はここにフォーカスエリアの指定を割り当てているのですが、押しやすくするために人工皮革を貼って少し出っぱらせて押しやすくしました.
FUJIFILM X100T
FUJIFILM X100T
背面.まあよくありがちなボタン配置ですね.上下左右の方向ボタンになにも書かれていないのは、すべてFnボタンとして機能を割り当てできるからです.また、背面向かって左側面にもボタンが用意されており、全部で7つものボタンに機能を割り当てすることができます.しかもX70はオートマクロを採用しているのでマクロモードに機能を割り当てる必要性もなく、自由度が高いです.
「Q」ボタンはクイックメニューの呼び出しで、このクイックメニューも機能やメニュー内の配置もカスタマイズ可能であり、こうした部分もX-T1やX100T譲りなので下位機種だからと機能を惜しむことなく、なおかつ共通化した操作性を実現しています.
液晶はチルト式でタッチパネルにも対応.上側には180度まで回転し、自撮りするのに便利な設計になっています.しかも180度回転した時には自動的に顔認証機能がオンになる親切設計.もっとも、自分は使わない機能ではありますが.タッチパネルは購入まで楽しみにしていた機能だったのですが、実際に使ってみるとタッチした場所に近い測距点が反応するだけのようであんまりメリットを感じなかったのと、液晶画面に表示されるタッチパネルの動作モードが目障りだったのでオフにしてしまいました.
FUJIFILM X100T
底面.三脚穴はレンズ同軸ではありません.X-T1ですらレンズ同軸ではないので富士フイルムはあんまりここにこだわりがないのかもしれません.バッテリとSDカードのアクセスは同じところに.
モザイクをかけていますが、シリアル番号がいかにも初期ロットらしく2桁でした.
FUJIFILM X100T
ストラップはユリシーズのminimoを使っています.両吊り可能ですが、あんまり大仰なストラップよりこっちのほうが似合う感じがします.
数日使った印象としては、非常に良くできたカメラだと思いました.
バッテリ消費が激しいかわりに速度が上がるハイパフォーマンス設定はオフにしていますが、レスポンスも不満がありません.レンズ性能もよく開放からシャープで、単焦点レンズとしての弱点を補うデジタルテレコンなどを備えつつ、センサーやプロセッサはX-T1やX100Tと同じでこのサイズに収めたのはとても魅力的です.
GRとの比較は後日、別エントリで書こうと思いますが、同じフルサイズ換算28mm F2.8のレンズを搭載していても「性格」や「哲学」といえるようなものがかなり異なります.ですので、一概にどちらがいいといえるものでもありません.